不器用な愛情
急激に物忘れがひどくなった母を
砥部病院の認知症外来で診ていただきました。
海馬と前頭葉が萎縮していて
新しいものへの記憶力の低下と
意欲の低下が起こっているそうです。
年齢的にみると
それは自然な老化現象のようです。
問診中にドクターが母に
「なぜここに来たんですか?」
「ここに来たくはなかったですか?」
と質問されました。
母は「年齢的なもんやけん行かんでもかまん」
と言っていたので
受診の時もそんな雰囲気を醸し出していました。
ドクターは
「認知症は周りの人が困ると思えば病気であって
これは普通の老化現象。
だから、周りの人がどう接するかが大切だ。」
と言われ
なんだか私は罪人のような気持ちになったのですが
そのあとのドクターの言葉
「どうして娘さんはここに連れてきたと思いますか?……長生きしてほしいからですよ。そう思わないなら、こんなところ連れて来たりしませんよ。」
こういう形の愛情表現しかできない娘。
でもその言葉で
私の全てが
救われた……
思わず涙が滲んだ瞬間でした。
本当に不器用な母娘です。