それぞれの道
1~2歳頃の私のインナーチャイルド。
泣いている母を
陰で心配している。
この子を
今の私はどうする?
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「何を見よるん?」
『母ちゃんが泣いとる……』
「母ちゃんは泣き虫さんやな」
『泣き虫さん?』
「そうよ。だって、私はあの人が楽しそうにキャッキャしてるとこ見たことないもん。いつも、泣いとるか嘆いとるかやからな。」
『そうなん?どうしたらええん?』
「放っといたらええ。」
『えっ⁉可哀想やん‼』
「あんたが慰めても仕方ない。あの人が自分で乗り越えるしかないんやから。境界線を踏み越えてはいかん。」
『境界線?』
「そう。あんたはあの人の子供。あの人はあんたの母ちゃん。子供は親を大切にせんといかん。でも親と子供は一心同体とは違う。そして、上下関係とも違う。対等な一人一人の人間や。」
『対等な関係……』
「そう。みんなそれぞれに自分を生かす力を持っとるから、そこに踏み込んではいかん。でも、子供はひとりでは生きることは出来んし、老人もひとりではできないことが出てくる。そのときは力を貸すんよ。ただそれだけのこと。そこに可哀想は必要ない。」
『じゃあ、母ちゃんは可哀想やないんやね⁉』
「あれが、あの人の学びの過程やから。あんたはあんたの学びの道があるんやから、気をとられずにそれを歩いていこう。私も50年先で待っとるから、心配はいらん。」
『分かった。見守っといてや。』
「了解!楽しんでおいで!」